アポクリン汗腺

アポクリン汗腺とは

アポクリン汗腺は、エクリン汗腺の10倍ほどの大きさがあり、そのため「大汗腺」とも呼ばれます。
離出分泌腺(りしゅつぶんぴつせん)とも呼ぶ。

開口部は皮膚表面でなく毛穴につながっており、エクリン汗腺より皮膚の深いところにあります。

アポクリン腺の量には個人差あります。
ワキの下、陰部、乳首の周り、おヘソの周り、耳の中など、体毛の濃い特定の部位に存在し、性ホルモンの影響を強く受け、思春期に活動が始まります。
なぜか頭皮には存在しません。

アポクリン汗

アポクリン汗腺から分泌されるアポクリン汗は、エクリン汗と比べると、分泌量が少なく、脂肪、タンパク質、鉄分、蛍光物質、尿素、アンモニア、色素などの成分を含み、乳白色で少し粘り気があるのが特徴です。
栄養分が多いため細菌が繁殖しやすく、体臭の原因になることが多くあります。

最も多く汗をつくっているのは別の種類の腺です(エクリン腺または汗腺)。

アポクリン汗腺の働き

エクリン汗腺は、汗を分泌することで体内にたまった熱を放出し、体温を下げるという、目的と明確な働きがありますが、アポクリン汗腺の働きは、はっきり分かっていないのが実情です。
アポクリン汗腺は、一度汗をかくと24時間ほど活動を休止するとされ、エクリン汗腺とは、かなり違った働きをしていると考えられています。

アポクリン腺は異性を惹きつけるためのもの?

アポクリン汗腺は、性的な興奮などでも発汗することや、限られた部位にだけ存在していることから、フェロモン分泌管としての働きがあるのではないか、と推測されています。
多くの動物には特定の繁殖期があり、特殊なニオイをもつフェロモンを出して異性を惹きつけようとします。
人間も太古の昔には、そのような習性があったのかもしれませんが、今や人間は、知能や文明の発達によって繁殖期というものがなくなり、アポクリン汗腺の存在意義が薄れてしまったのではないか、とも考えられています。

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